GURPS ハンター・シリーズ α版

プレイレポートその1
シナリオ名:
「ロールプレイ」
筆者:ELIZA

このプレイレポートにはシナリオのネタバレはありません。安心してお読みください。

注意:ここに登場するプレイヤーキャラクターのハンターは全て小説で登録されたものではありません。登録が「空き」ならば全く別のキャラクターを提唱することができます。

プレイヤーキャラクター紹介(敬称略)


ゲームマスター:ELIZA
 今回のセッションを企画した張本人であり、このプレイレポートの筆者でもあります。

ハンター42号:半田 スージー 男→女?
プレイヤー:痛井

 元はちんけなスリでしたが、真城華代の力によりサイボーグの両腕を得てからは裏の世界で名をはせる大窃盗犯になりました。非常に「怠惰」で、普段は春さん(ハンター86号)から色々なお薬を処方してもらい他の人が知らない世界に行っています。精神的にショックを受けるとたくさんお薬を処方してもらって普段より更に遠い世界に旅立ってしまいます。

ハンター43号:鈴木 金造(すーさん) 男→女
プレイヤー:つりバカ

 元は寄る年波の為に耳が遠くなってきた悪徳医師でした。性格はイタズラ好きで憎めない好々爺ですが、現在は「若いネーチャン」の姿になっています。(その性格と耳の遠さは全く変わっていません。)精神的にショックを受けると、動物の手術や解剖を行い始めます。

ハンター59号:半田 ゴクウ 女→男
プレイヤー:ビタミン

 元は研究一筋で58年独身で過ごしてきた女性科学者でした。真城華代の力により少年(初恋の相手(17歳)にそっくり)になったのを機に、人生をやり直そうとしています。精神的にショックを受けると、ひたすら鏡で自分の顔を見続けます。

ハンター71号:半田 ナイ 女→男
プレイヤー:Tomb

 ネグロイドの美形バーテンダーです。真城華代の力により自分がニャルラトテップ(クトゥルフ神話の邪神、様々な姿を持つ)の化身の1つになったと思い込んでおり、精神的にショックを受けるとアザトース(クトゥルフ神話の邪神、本体が純粋なエネルギー。核爆発を考えるといいでしょう。)の召喚を試み始めます。

ハンター73号:ナナミ(源氏名) 男→女
プレイヤー:KY

 青森出身の巨体ママです。元々ラグビーの英才教育を受けてきましたが、相撲を通じて「ふれあい」の心地よさに目覚めて以降、その欲望を抑えきれずに歓楽街で日陰の生活を送っていました。真城華代の力により性転換して美しくなってからはバーのママとなりましたが、その2m10cmを超える巨体はそのままです。精神的にショックを受けると、ひたすら力士のブロマイドを見続けます。

内容紹介

 このセッションには5人ものプレイヤーが参加してくれました。TG描写があるということを事前に告知していたので、全員がTGを承知していましたが、TGが好きだという人はいませんでした。

 キャラクターは事前に作っておいたテンプレートに不利な特徴をつけるという形で作成しましたが、「強烈な個性があった方がよい」「不利な特徴が−100CPまで取れる」ということで、もめにもめて2時間10分もかかりました。その結果、原作でもまず見られないような「狂人集団」(参加者の言葉)が出現しました。

 シナリオは非常に単純なミッションのはずでしたが、非常に「個性的」な 面々の為に任務遂行は荒れに荒れました。その一部を紹介すると…

(出動要請がかかったとき)
43号「はぁ? 何かあったのかのぉ?」
42号「…めんどくせぇ、行きたくねぇ。」
71号「さぁ、行きましょう、混乱を広め…げほげほ。」

 ということで、2〜3分は時間を浪費していました。

(必要な装備を借りにお花さん(倉庫の主)の元に向かったとき)
43号「おぅ、花さん。(実際にはもっと別の表現でした。)」
 GM「えぇ、さっきも言ったように、お花さんは呼び方を間違えるとぶち切れるわけですが…」
43号「うん、挑発するためにわざとやっています。「トリックスター」なので。(続きの言葉はちょっと書けません。)」
 GM「…そっちへピンが抜けたパイナップル(手榴弾のこと)が飛んでいきます。」
43号「わぁ、逃げる!」
 GM「(判定して)クリティカルなので避けられません。」

 …ミッションに行く前に43号は半殺しにされました。(運が悪いと43号が殺される可能性は十分にありました。)結局は医療処置で回復しましたが、ハンター100号の治癒の値段の高さには大ブーイングでした。(最低ラインとしてヒットポイント1点ごとに$100(1万円)を提示したのですが…)また、ここで10分以上無駄にしています。

(追加の障害として毒バラの茂みを出したときの話)
 GM「<生物学>の成功度がこうですから…成功した43号さんは恐怖判定をしてください。」
43号「成功です。」
 GM「では分かりますが、このバラは地球上に存在するものではありません…」
42号「むしってみます。」
 GM「…そして、とげの先に水滴のようなものが付いているのですが、それは多分猛毒です。」
59号「今、「むしる」って言った奴いたよな?」
 GM「それは当然刺さるのですが、機械の腕では毒が効かないからつまらないですね…」
 結局とげのダメージもありませんでした。

(追加の障害として爆発物を出したときの話)
 GM「…判定に成功した人は判りますが、壁にくっついている甘食のようなものは多分爆発物です。」
59号「甘食って何?」
 GM「(絵を描いて)こういうものが壁にくっついているのですが、これは多分爆発物です。」
42号「(<爆発物/爆発物処理>技能があるので)解除します。」
73号「(<相撲>技能で)突っ込みます。どすこい〜!」
59号「技能はないですが、「自信過剰」なので解除を試みます。このくらいできるさ!」
 GM「(発言がほぼ同時だったので)…反応速度を申告してください。」
42号「7。」
73号「9.5。」
59号「5。」
 GM「…えぇ、では一番速い73号の行動からですが、そのまま突っ込めば当然爆発します。」
73号「ぎゃあ〜! 爆発物は怖い〜!」
 73号は常人では半殺し確定のダメージを受けました。ヒットポイントが常軌を逸していたのでまだピンピンしていましたが。

(助っ人が出て来ての話)
 GM「そこに出て来た(ネタバレ禁止)は何かを取り出して見始めました。」
43号「見てみるけど、何かな?」
 GM「(判定に成功したので)…(ネタバレ禁止)のようですね。」
43号「取り上げて破壊を試みます。」
71号「(ちょっと書けません。)」
42号「「盗癖」があるので、それを掏り取ろうと試みます。」

 この先は(ネタバレ禁止)なので、少し話が飛びます。

73号「…じゃあ、(ネタバレ禁止)を頼む。」
 GM「では、(ネタバレ禁止)は(ネタバレ禁止)の準備を始めました。」
73号「そこに<ラグビー>で体当たりを仕掛けます。」
 GM「(判定して)気がついて避けられました。位置関係からして、そのまま壁に突っ込みます。」
73号「(壁に突っ込んだ結果大ダメージを受けて)痛い〜! 助けてくれ〜!」
59号「お前から仕掛けておいて、それはないだろ!」

(倒れている人を見つけての話)
71号「「サディスト」なので、止めを刺します。」
59号「いや、「サディスト」ってのは、生かさず殺さず痛めつけるのを楽しむんだ。」
71号「では、殺さないように加減しながらぐりぐりと頭を踏みつけます。」
42号「屈辱的だな。」

 その頃、他のハンター達はミッション達成の為に奔走していました。

(ミッションが一段落しての話)
59号「しかし、(ネタバレ禁止)はどうするんだ?」
 GM「ボス曰く、(ネタバレ禁止)。」
59号「だー! それを先に言えー! やってられるかー! (ちゃぶ台をひっくり返す)」
 GM「実際問題として、ハンターはそういうものなのです。」
59号「…GM、ハンターの給料ってどれくらいだ?」
 GM「他の職員と一緒に労働組合を結成してベアを要求しようという動きがあるくらいに安いです。」
59号「く、他で雇って貰えないからって足元見やがって…今日はカップラーメンとカップ酒で呑むぞ!」
71号「まあ、特別報酬があったわけですし。」
59号「さっきの$500、5万円か。」
 GM「ちなみに、傷ついた人は(ハンター100号に)ヒットポイント1点ごとに$100で治療してもらえます。」
59号「誰がやるか! 43号、今日は一晩付き合うから明日治してくれ。」
43号「よし、呑むぞ!」
71号「バーテンはやりますよ。」
42号「考えてみたら、このメンバーにはバーテンもホステスもいるんだよな。」
73号「まあ、この巨体ですけどね。」

…後で気がついたのですが、59号は肉体年齢17歳なので飲酒しちゃいけませんね。
この次の日から、5人は有給休暇を取ってどこかに旅行に行ってしまいましたが…

59号「5万円だと市内…いや県内だな、5万円では県外は無理だ。」
42号「(特別報酬を)全額薬代に使いました。」

 ここで、ネタバレをしないため、私の記憶が薄れたため、不穏当な発言のため、解り易くするため等の理由により、内容や表現等には若干の修正をかけています。また、紹介した場面を限っているのでPCの登場頻度に差がありますが、実際には全てのPCが同程度発言していました。(そのような印象を受けました。)
 ミッションは紆余曲折ありましたが、結果オーライ、終わりよければ全てよし、でした。原作のドタバタな雰囲気を十分に再現し、楽しんでもらえたので、セッションは成功と言えるでしょう。

次回以降に向けて

  • セッション後に「(ガープスの)きっちりした内容とドタバタコメディーは合わないのではないか」という意見を貰いました。ハンターシリーズの原作小説には真面目な戦闘(「珊瑚の研究(後編)」や「そして三竦みへ…」等)やシリアスな展開(「月食に願いを」や「珊瑚の研究(前編)」等)もあるので私としてはこのままでいいと思うのですが、これは他の人の意見も聞きたいところです。
  • ハンター・シリーズには「半殺し」という描写がよく出てくるのですが、これを再現しようとするとダメージの加減が非常に難しいことが判りました。これにはルール修正が必要となるでしょう。
  • 小説を書く場合はハンター組織の設定は曖昧な方がいいのかもしれませんが、実際にセッションをする場合はハンター組織やガイスト等の設定をきっちりとしておくべきでしょう。今回は私が公式シリーズの作品を全て頭に入れておいたから何とかなりましたが、普通はそうは行きません。
  • キャラクター作成は事前にしっかりとやっておいたほうがいいと分かりました。キャラクターには非常に強烈な個性を持たせるべき(そうでないと面白くない)なので、不利な特徴の選定はかなり難しくなります。
  • 今回は誰も恐怖判定に失敗しなかったので、精神的にショックを受けたキャラクターがいませんでした。ルールのバランスが取れているかを確認するにはテストプレイを重ねなければならないでしょう。
  • TGへの愛があるかどうかでPCの扱いに大きな差が出るだろうことが予測できました。本当はTGファンの人が集まってテストプレイをすればいいのでしょうが…(私には無理です。)
  • テンプレートに重要な能力が抜けていることには功罪があると分かりました。個性や役割分担を促すことができる一方、PCがうっかりしていると何もできない、ということになります。(今回のミッションで、華代探知機を使えたのが5人中2人、自動車の運転ができたのが5人中1人でした。)


トップへ